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二千年の恋
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2018-12-1606:44
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作成者:
faceF104
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作者コメント:
これは夢だろうか?いや、夢なんかじゃない。目の前には、一糸まとわぬ生まれたままの姿の、大帝陛下がいる。瞳を潤ませ、頬を真っ赤に染めている。それは普段の威厳にあふれ、悠然とかまえ、慈愛に満ちた大帝陛下とは別人に思えるほど…愛らしく、そして儚げな姿だった。始「…あまり、じろじろ見るでない。我とて、恥じらいくらいは、ある…」どうしてこうなったのか?…いや、今さらとぼけるのはやめよう。予感くらいはあった。そして、それを拒むつもりもなかった。いくら鈍感な俺でも、このところの俺を見つめる大帝陛下のまなざしに、さりげなさを装って組んだ腕に伝わる胸のときめきに、気づかなかったと言えば、さすがに嘘になる。だから、分かっていた。おばあちゃん(汗)とか孫(予定)とか茶化していても、いつかはこういう日が…こうなる日が、来ることを。始「…我は、色恋の手練手管など知らぬ。未通女でこそないが、こうした際に女がどうすべきかの心得すら存ぜぬ。真祖たる我は、ただマグロのように寝そべっておれば、後は男どもがあれこれ勝手に奉仕してくれていたゆえな。じゃが、今にして思えば、彼奴らが抱いておったのは…真祖・秦始皇であって、我ではない。一人の女として、我を抱いて欲しいと思うたは、そちが…いや、そなたが初めてなのじゃ」恥じらいながらも、気丈に勇気を振り絞り、大帝陛下の瞳がまっすぐ俺を見つめる。始「ゆえに、我はただ思うたままを告げる。はしたないと笑わば笑え。…我は、そなたが好きじゃ。惚れておる。いずれ康熙の婿となる身といえど、やがては孫と呼ぶ間柄であれど…この想い、もはやこらえることなど我にはできぬ!初めてそなたに会うたとき、なんと下卑た男かと思うた。康熙の男を見る目の無さに、心底呆れ果てもした。じゃが同じ屋根の下で暮らすうち、そうまんざら捨てたものでもない、心根は素直な優しい奴ではないかと見直して、こやつならば少なくとも、康熙を泣かせはするまいと、思い直すようにもなった。いつしか、腑抜けた阿呆面にしか見えなんだ顔も、よくよく見れば愛嬌があるように見えてきて、屈託なく笑う笑顔を見れば、我もまた微笑ましく思えるようにもなった。一日また一日と、この胸の内で、そなたはどんどん大きゅうなっていきおった…」愛おしそうに、大帝陛下がみずからの胸に手を当てる。大切な想いが、そこには秘められているのだと言いたげに。始「なのに、そなたは…種馬もかくやという絶倫ぶりで、康熙ばかりか女とあらば、誰彼かまわず盛りおる!妹を抱いたかと思えば姉にも抱かれ、異国の娘らを並べては、手当たり次第に喰いちらかす!それを我が…楽しゅう見ておるとでも思うたか!?…ひどい男じゃ。惚れねば良かった。恋心になど気づかねば良かった。そなたなど、ただの馬の骨であれば、どれほど心安らかであったことか。じゃが、もう遅い!我をここまで惑わせたのじゃ!そなたも男のはしくれならば、目の前の女を抱いてみせよ!!そなたの前で恥知らずにも、肌をあらわにしておるうつけ女は、康熙の婆でもなければ、二千年を生きた真祖でもない。ただの…齢十七で時を止めた小娘じゃ。どうか本当の男の強さ、優しさ、たくましさ…この身に教えてやってくれ」愛しさがこみ上げて、抱きしめたくてたまらない。この子が誰であるかなど、もうどうでもよくなっていた。ここにいるのは、俺を待ち焦がれているのは…俺が大切にしなければいけない、ただの、女の子だった。俺のオンナになってくれますか…大帝陛下?始「…っ!うむ!なる!なってみせるとも!!そなたと終生添い遂げて、そなただけのオンナになってみせる!!…じゃが、その名では呼ぶな。嬴政と呼び捨てでも良い、しーちゃんと呼んでもかまわぬ。そなたの前でだけは、我は真祖でも大帝でもなく、ただの小娘でありたいのじゃ…」どちらともなく唇を寄せて、舌を絡めて吐息を交わす。しっとりと汗ばんだ柔肌を指でなぞり、熱く汁のしたたる肉壺をまさぐる。もう、引き返せない。引き返すつもりもない。この子を…俺のモノにするんだ!始「ひ、ひうっ!?…あ、ああっ、嬉しや…やっとそなたと、ひとつになれた♡そなたが我の中で、嬉しそうに脈打っておる♡…よいぞ、我にかまわず、好きなように動け。我を感じさせようなどと、つまらぬ気遣いは無用じゃ。そなたを我の奥深くで感じる…それだけで、我はもう、どうしてよいか分からぬほどに心地よい。…ああ、二千年も生きてきて少しも知らなんだ。女とは…かくも幸せな生き物であったのか♡」嬉しそうに微笑む顔が、涙と涎にまみれてぐしょぐしょになる。でもその顔を、俺は…とても美しいと思った。・・・・・・・・・・・・・・・時が経つのも忘れるほど狂おしいひとときが過ぎて、吐息もようやく落ち着いた頃。始「今、ようやく分かった。我が二千年も生きてきたのは、そなたに抱かれるためだったのじゃな…♡」腕枕のしーちゃんが、嬉しそうに微笑んで俺の頬をつつく。始「…まったく、待たせ過ぎじゃ!そなたさえ、もう二千年早く生まれておれば、かような苦労をせずとも済んだものを!」ちょっびり唇を尖らせて、ふくれっ面でしーちゃんがダダをこねる。甘えん坊なのは…やはり血筋だったか。となると、返しワザも…お孫さんと一緒でたぶん通じるはず。たぶん。…そうですか?俺としては、しーちゃんが二千年も生きててくれてありがたかったですけどね。なにせ、そのおかげで俺、しーちゃんと出会えたんですから?始「……っ!?(声にならない)」おーおー。顔真っ赤にしちゃって、可愛いなあ。…って、うぼおおっ!?始「ずるいっ!!そなたはずるいっ!!女をさんざん惚れさせて、その上まだ惚れさせ足りぬと申すのかっ!?」お…お願いだから、腹パンだけは勘弁して下さい。今のマジで、死ぬかと思いましたから…(自業自得)。